お年寄りの行方不明について考える

「市内、○○にお住いの○○○○さん○○歳が、○日○時頃自宅を出たまま行方が分かりません。○○さんの特徴は、身長○○mくらい○型で頭髪は○髪、○色の○○を着て○色の○○を履いています。お心当たりの方は警察署または・・・・、こちらは広報○○です。♪ピーンポーンパーンポーン・・・」

 

石井はS県在住、田舎者です。この田舎町ではこういった「お年寄りの行方不明」が日常茶飯事なのか事件が発生するたびにこのような放送が流されます。さすがに午前2時なんて時間にはありませんが、市民の大半がまだ起きているだろうと思われる時間帯なら夜中でもお構いないようです。

 

市内要所に設置されたスピーカーからは反響音を意識してなのか文節をゆっくりと、しっかりと区切られた図太いおっさんの声が響き渡ります。石井はひまじんなので調べてみると、このスピーカー、正式には「防災行政無線チャイム」というそうです。

 

災害情報や緊急放送を市民に知らせる放送設備として改良を重ねながら運用されているようですが、なんと市内350箇所に設置されているそうなんです。こいつから音声が流れだすと近所で飼われている犬たちもいっせいにギャンギャン吠え出したり「アオーン」などと雄叫びをあげる始末です。

 

そして石井は「いいかげんにしろ!」とこぶしを上げるのです。

 

なんでこんな放送をするんでしょう、石井の住むF市では放送を聞く限りD地区にお住いの老人がよく姿をくらまします、たぶん施設が多いのではないかと推測されるのですが、そのあたりから石井の自宅まで直線距離でも7~8キロは離れています。お年寄りの足ではとても歩ける距離ではありません、まさか自分で車を運転することもないでしょう、バスやタクシーを利用することも考えられません。

 

「お心当たり」などあるわけねぇだろうが、と思いませんか。

 

当事者や身内の方の立場になればそれはお気の毒な事、できることは協力したくは思います、しかし大音量で市内全土に大音量で放送する必要があるのかを問いたいのです。

 

こんなことをいうのも「警察署は年寄りの行方不明になどかまっているヒマはありません」ようするに「放送したからいいでしょう」といった体質があるような話を近所のおじさんが言っていたからなんです。本当なんでしょうか。